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村田沙耶香:コンビニ人間の感想

小説:コンビニ人間を読みました

books.bunshun.jp

 

芥川賞を取って売れまくっている小説なので、まぁいつもどおりあらすじはさらっと

 

話の筋としては、高校卒業してから18年年間コンビニでアルバイトをし続ける古倉さん(女性)のもとに、社会不適合者で婚活目的の白羽という男が現れる・・・という話

 

古倉さんがコンビニで働き続ける理由が、コンビニでないと働けない、人の考えていることが理解できない人

 

古倉さんの「普通」になるために、周りの人から少しずつ要素をとって、ミックスさせて自分も同じように振る舞えるようにするという部分にはとても共感できた。

「普通」であることが求められる中で、そんなふうに考えながら振る舞っている人も多いのではないだろうか。

 

古倉さんは、少しばかり世間からはずれていて、見方によっては頭のおかしいひとに見える。

古倉さんの周りの人は、古倉さんを普通扱いしている、と古倉さんは思っているけど、実際にああいう人がいたら白羽の言う通り異常人だろう。

 

白羽というのは、婚活目的でコンビニで働き、でも真面目にできず、馴染めず、客の女性にストーカーし、ルームシェアの代金を踏み倒し、弟の嫁から責められるという人物だ。

 

やっぱりクズにしか見えないが、白羽の持つ悩みというか、世界は縄文時代からずっと変わらないという考えだとかには共感できる。

個人的には、縄文時代ではなく弥生時代から変わらないのではないかとも思うが。

 

白羽は世間からの目線に耐えられないが、古倉さんは耐えられている。

違いはなんだろうかと考える。

 

古倉さんの世界は身の回りで終わっているのに対して白羽の世界は地球規模というか、人類全体のことなのではないだろうか。

古倉さんが執着する「コンビニ」と白羽の「縄文時代」という考えに、その違いが出ているような気がする。

女性は目の前のことだけを見て、男性は遠くのものを見るという意味でもあっている気がする。

 

世間が「普通」を求め、それに答えられない時、手元を見続けると古倉さんのようになり、遠くを見つめると白羽のようになるということだろうか。

どちらが良いとも思わないし、そもそも考えなくても「普通」に振る舞える人には関係の無いことだろうとも思う。

 

最終的に、白羽が古倉さんを働かせようとするのだが、古倉さんはコンビニの声が聞こえると言ってコンビニに戻っていくところはよかった。

世間的なものに合わせていかなくても、自分にとって住みよい世界で生きていければそれでいいのではないかということではないだろうか

そういう場所を見つけることこそが大事なのかもしれない。

 

おわり